フランス語の名言 · Les mots de Chinami
Simone de Beauvoir
« On ne naît pas femme, on le devient. »
人は女に生まれるのではない、女になるのだ。

こんにちは。ちなみです。
さて、2回目はシモーヌ・ド・ボーヴォワール(1908年〜1986年) の言葉をご紹介します。
ボーヴォワール はフェミニズムの先駆者で、フランスの哲学者。同じくフランスの実存主義哲学者、「知の巨人」とも言われるジャン=ポール・サルトルの契約上の結婚相手です。実は、ショコラの2回目の企画について、サルトルの名言を紹介しようと思っていました。私自身、サルトルの実存主義という哲学にとても影響を受けたということと、今の時代を考えるにあたり重要な位置にあると考えたからです。しかし、相撲の土俵問題、官僚のセクハや不倫など、連日世間を賑わすニュースを見ていて、急遽、企画を変更しました。
子ども時代から学問で優秀だったボーヴォワールは、ソルボンヌ大学在学中の21歳の時に、サルトルと運命の出会いを果たします。その後、サルトルの死までパートナーとして二人の関係は続くわけですが、彼らの関係で特徴的なのがお互いの思想を追求するための「契約結婚」(参考:映画『サルトルとボーヴォワール 哲学と愛』)。お互い自由恋愛で経済的な面も頼らない、一緒に暮らすこともマストとしない。体なんのための結婚なんだろう?と私は思いますが、ボーヴォワールは女性に選択肢のない封建的な社会に対し疑問を持ち、女性の自由な生き方を追求していくのでした。
男女同権論で有名な著書、『第二の性(Le Deuxième Sexe /1949年)の中で、「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」と述べているのですが、これは今でいうならジェンダーの問題でしょうか。いわゆる女性らしさは、男性優位の社会により、形成されるということですよね。
社会のあり方を批判した言葉ですが、彼女は、またこうも言っています。
On ne naît pas génie, on le devient.
人は天才に生まれるのではない。天才になるのだ。
女性にせよ、天才にせよ、育っていく環境や社会の中で、いかようにも変わっていけるという、そこには希望がみえるのでした。
ではまた。
Chinami
L'essentiel en français
Chinami voulait d'abord parler de Sartre — l'existentialisme l'a profondément marquée. Mais l'actualité l'a fait dévier : affaires de harcèlement et de sexisme dans le sumo et la haute administration japonaise. Alors elle a choisi Beauvoir. Elle raconte la rencontre à 21 ans à la Sorbonne, le « mariage contractuel » iconoclaste, et glisse vers l'idée centrale du Deuxième Sexe — la féminité comme construction sociale, pas comme nature. Puis ajoute la citation jumelle, moins connue : « On ne naît pas génie, on le devient. » Et termine sur une note d'espoir : femme ou génie, on est ce que l'on devient — donc on peut changer.
ボーヴォワールについてRepères sur Simone de Beauvoir
- 1908年パリ生まれ/1986年没(78歳)。ソルボンヌ大学で哲学を学ぶ。
1908–1986, née à Paris. Études de philosophie à la Sorbonne. - 21歳でサルトルと出会い、生涯のパートナーに。法的な結婚ではなく「契約結婚」。
Rencontre Sartre à 21 ans, sa compagne jusqu'à sa mort — par « pacte » et non par mariage. - 実存主義の哲学者、現代フェミニズムの先駆者。
Philosophe existentialiste, pionnière du féminisme contemporain. - 代表作『第二の性』(Le Deuxième Sexe, 1949年)に「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」を収録。
Cette phrase ouvre le tome II du Deuxième Sexe (1949), son œuvre majeure.
会話のきっかけPour en parler
Je suis d'accord avec Beauvoir : la féminité, ce sont surtout des codes que la société nous impose.
ボーヴォワールに同意します。女性らしさとは、社会が押しつける規範にすぎないと思います。
Ce qui me frappe, c'est qu'elle dit la même chose du génie : on le devient, on n'y naît pas.
印象的なのは、天才についても同じことを言っている点です。生まれるのではなく、なる。
Cette phrase fait écho aux débats actuels sur le genre — à 75 ans d'écart.
75年経った今、現代のジェンダー論にそのまま響く言葉ですね。
Comme Chinami, je trouve étrange ce « mariage contractuel » — mais cohérent avec leur pensée.
千奈美さんと同じで、私もこの「契約結婚」は奇妙に感じます。でも彼らの思想とは筋が通っています。
Si on devient femme, on peut aussi décider de devenir autre chose — c'est ça l'espoir.
「女になる」のなら、別のものになることも選べる──そこに希望があるのですね。