フランス語の名言 · Les mots de Chinami
Paul Valéryポール・ヴァレリー
« Le vent se lève, il faut tenter de vivre. »
風立ちぬ いざ生きめやも

Bonjour 千奈美です!
今月の名言格言のコーナー、フランスの詩人 ポール・ヴァレリー (1971-1945年〜)の言葉をご紹介しました。
南仏の港町に生まれ、ユゴーに触発されて13歳で詩を創り始めたのだそう。小説や歴史、音楽、数学なとさまざまな分野に精通し、20世紀の知の巨人と言われています。発表した作品数は少ないものの、一作一作が珠玉。特に『Jeune Parque』(若きパルク)はヴァレリーの最高傑作と言われているだけではなく、20世紀フランスで書かれたもっとも優れた詩と評されているそうです。ショコラ会員の皆さんには詩のファンの方もいらっしゃるようなので、ぜひ、ヴァレリーを手に取ってみていただけたらと思いました。
さて、今回ご紹介したのは、とても有名な一節でした。「風立ちぬ」。昭和では松田聖子さんも歌っておられました。もとはといえば、堀辰雄の小説で、そのもとはといえば、ヴァレリーを堀辰雄が翻訳したもの。風が吹いていく時の流れの中で人生の実体をとらえた堀作品の代表作の一つですね。ポッドキャストでもご紹介しましたが、宮崎駿さんの映画でモチーフになっています(『風立ちぬ』2013年)。堀辰雄の小説と、自伝をベースに、航空技師の堀越二郎もあわせてモデルとした、これまでのジブリ作品とは一線を画す題材となっていました。宮崎監督はこれをもって引退を宣言し(その後復帰されています)、彼の創作人生のあらゆる要素が吹き込まれている名作です。キャッチコピーは「生きねば。」。
ヴァレリーから堀辰雄、宮崎監督に引き継がれたこの言葉には、どんな風が吹いても生きていかねばならない、もっと、生きていこう、という、ある意味の人生への諦観とそれだけに強い意志を感じます。時代や国は変われども、戦争の危機はあるし、災害も病気もあり、自分の力ではどうにもできないことがある、自分にとってどんな風の中でも、生きることそのものに向き合っていくということ、これは、死を意識すればこその力強さ。皆さんはどう感じますか?感想教えていただけたら嬉しいです。
ではまた!