フランス語の名言 · Les mots de Chinami
François de La Rochefoucauldフランソワ・ド・ラ ・ロシュフコー
« Il est plus honteux de se défier de ses amis que d'en être trompé. »
友を疑うことは、友に裏切られるよりも恥ずべきことである。

千奈美です!Bonjour!
今月の名言コーナーでは、フランスの貴族でモラリスト文学者、フランソワ・ド・ラ・ロシュフコー(1613-1680)の名言をご紹介しました。
ラ・ロシュフコーはフランス貴族の家系に生まれました。
政治的にも軍事的にも活動しましたが、当時の内乱「フロンドの乱」に関わったことで失脚し、その後は社交界での活動や文学へと傾いていきました。
『箴言集(Maximes)』(1665年初版)は彼の代表作。短く鋭い文で人間の本質を描き出した名言集です。
テーマは「自己愛」「虚栄心」「利己心」といった、人間の偽善や弱さ。
ラ・ロシュフコーは「人間の行為の多くは、崇高に見えても自己愛や利己心から生じている」と考えました。
つまりラ・ロシュフコーは、「人間とは本質的に自己中心的な存在だ」といいます。
真っ向から否定したい考え方ですが、完全に否定できないのも事実。世のため人のためを思ってやる行為は、本当に他者のためなのでしょうか。
わたしはこう思いました。せめてこのことを自覚しようと。
今回ご紹介した言葉は、友情という人間関係の本質を鋭く突いています。友情に対する信頼の尊さが強調されている。私たちは人生の中で、信頼を裏切られる痛みを経験することがあります。
友人に期待していたものが裏切られると、失望や怒りが生じ、時にはその傷が深く心に残ります。
しかしラ・ロシュフコーが指摘するのは、それ以上に恥ずべきことがあるということです。
それは、友を最初から信じることなく、疑いの目で見ることです。
もちろん、友から裏切られる可能性はゼロではありません。
しかし、その恐れから信頼を拒むことは、友情の可能性そのものを閉ざす行為です。
裏切りは相手の責任であり、疑いは自分の選択です。
ラ・ロシュフコーはその違いを強調し、人としての品位は「裏切られること」ではなく「信じることを拒むこと」によって失われると説いているらしいのです。
人間は利己的な存在だ、だからこそ人としての品位を保つ生き方をあえて選ぶべきである、というメッセージ、現代でも貴重だと思いました。
ではまた。À bientôt!
Chinami