クラシック音楽散歩 · La promenade classique de Kanako

ドイツにバッハあり、フランスにラモーあり|彼らは何を成したのか?

2026-07-22 · 第655回のエピソードを聴く

Rameau, le seul Français qui puisse être comparé à Bach.
調性に接近した2人の作曲家。バッハは音楽、ラモーは理論によって。
  
  
Bonjour ! 奏子です。

 クラシック音楽散歩、番組では「ドイツにバッハあり、フランスにラモーあり」というタイトルでバロック時代に活躍した2人の作曲家についてお話しました。

 音楽の父として、クラシックの作曲家のなかで圧倒的な存在感を誇るバッハ。学校の音楽室に飾られた作曲家の肖像画たちのなかには間違いなくいたでしょうし、きっと今日もどこかのコンサート会場(しかも世界中の!)ではバッハの何かしらの作品が演奏されていることでしょう。また、少しでもピアノを習ったことのある人は、バッハの曲をレッスンで弾いた、という思い出をお持ちかもしれませんね。
 このように、バッハはクラシック音楽の入り口で私たちを手招いているような、みなさんにとってー好きか嫌いかは置いておくとしてー比較的身近な作曲家と言えるのではないでしょうか。

 そんなバッハと同じ時代に活躍したフランスの作曲家、”ジャン=フィリップ・ラモー”。私は、彼のことももっと知られていのに! と、常々思っています。単にラモーの生涯を概観するのもいいですが、今回は、せっかくならバッハに関連づけてみたいと思います。2人には「調性への接近」という共通点があるのです。おっと、出だしから少し雲行きが怪しくなってきたかもしれません…… (苦笑)。

 「調性」とは一体なんでしょうか。ハ長調やハ短調というように、明るい響きをもつ長調と、暗い響きをもつ短調があり、それぞれ12個ずつ、合計24種類からなります。実際の記譜では、楽譜のト音記号やハ音記号の右側のところに♯(シャープ)や♭(フラット)などをつけて表します。そしてこの24個には固有の音階があります。例えばハ長調(短調)ならばドの音から始まり、ト長調(短調)ならばソの音から音階が始まるという具合に。これが調性の基本です。

 基準となる音を定めたら、そこから音階だけでなく、音を重ねると和音も生まれます。ラモーはこの和音(コード)の進行に着目しました。それまで感覚的になされていた和音進行に理論を与えたのです。細かい話は割愛しますが、ラモーが導いた体系がその後に続く「和声学」の基礎となリました。

 さて、一方のバッハはというと、彼は先述の24種類の調性をすべて使った作品を作りました。それが《平均律クラヴィーア曲集》というものです。ラモーが理論を構築したのに対して(彼は作曲家だけでなく理論家という一面もありました)、バッハは独自の感性で調性を作品という形で可視化したのです。こうしてみると、同じ「調性」に対する彼らのアプローチは正反対のものだと言えるでしょう。

 ちなみに、ラモーは理論家だけでなく、もちろん作曲家としても大活躍で、オペラや器楽曲などとてもたくさの作品を残しています。特にピアノの前身でもあるクラヴサン(チェンバロ)のための作品群は当時のフランスのセンスが凝縮されたかのような、軽やかで気品あふれるものが数多くあります。ぜひ、みなさんも聴いてみてくださいね!

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このコラムは Chocolat! 第655回で紹介されました。 エピソードを聴く →
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