9世紀後半から盛んになるジャポニスムは、欧米の芸術に大きな刺激を与え、モネやゴッホなどの創作の重要なインスピレーション源となりました。時を同じくして、黒田清輝をはじめとする日本人画学生がフランスへ留学し、彼らが現地で学んだ美術はその後の近代日本美術の礎となっていきました。大正期には、雑誌『白樺』を通じた日本人のゴッホ信仰、セザンヌやルノワールへの傾倒が強まるなど、異国への憧憬は芸術家たちの想像力をますますかき立てていったのです。
近代化の進む激動の時代、日本とフランスという2つの国は、新しい美の基準や感性を模索する上で互いに必要不可欠な存在だったといえます。本展は、大量のモノや情報、そして人の往来が可能となった時代に、双方の芸術が織りなした「美の往還」を、ポーラ美術館の西洋絵画および日本の洋画コレクションを軸に辿る試みです。 また、現代の私たちも度々経験する異文化に対する憧れや好奇心、幻想や「ずれ」にも着目します。こうした経験や感覚をテーマとして制作された、国際的に活躍する現代のアーティストの作品を通して、異文化理解の本質や魅力にも迫ります。
- 黒田清輝の師ラファエル・コランによる幻の作品、120年ぶりに公開 -
ポーラ美術館が収蔵する黒田清輝(1866-1924)の代表作《野辺》(1907年)。黒田がフランスで師事したラファエル・コラン(1850-1916)の《眠り》(1892年)からの影響が指摘される重要作品です。1900年のパリ万博で黒田が実際に目にしたとされる《眠り》は、長年所在不明とされてきましたが、近年、所在が確認されました。この度、フランスから《眠り》が初来日し、本展で120年ぶりに公開されるとともに、愛弟子であった黒田の作品との邂逅を果たします。
- 日本とフランス―コレクションを軸に辿る「美の往還」-
ジャポニスムと関係の深いモネやゴッホ、フランスで学んだ黒田清輝や岡田三郎助、そしてセザンヌやルノワールと彼らに心酔した安井曾太郎など、ポーラ美術館のコレクションには、日本とフランスの芸術交流を語る上で欠かせない芸術家の作品が多数含まれています。本展では、当館収蔵作品約80点を軸に、国内外から約50点を借用し、19世紀後半から現代に至るまでの日仏の「美の往還」を辿ります。
- 現代アーティストの視点からあぶり出す、異国に対する憧れと幻想 -
本展では、森村泰昌(1951-)のゴッホに扮したセルフポートレート、浮世絵を翻案した山口晃(1969-)の作品、そしてフランス人の日本滞在記に想を得た荒木悠(1985-)の映像作品などを、近代の作品と織り交ぜてご紹介します。「日本と西洋」「近代と現代」といった要素によって生み出される、様々な誤解やギャップ。そうした経験や感覚をユーモラスに描き出す作品を通して、異文化理解の本質や魅力に迫ります。(公式サイトより)
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会期: 2020年11月14日(土)~2021年4月4日(日)会期中無休 *会期中に展示替えあり。
開催時間: 9:00~17:00(最終入館は16:30)
【新型コロナウイルス感染拡大防止のため、多くの美術館/博物館等で、臨時休館やイベントの休止、展覧会の中止や開催期間の変更、および入館方法等が変更になっています。 状況が日々変動しているため、公式ホームページなどで最新の情報をご確認ください。】
Choolat!第588回で、ポーラ美術館広報の田中さんのインタビューをご紹介しています。