ルオーが大事にした『かたち、色、ハーモニー』
19世紀末から20世紀前半のフランスで活躍した、最も革新的な画家のひとり、ジョルジュ・ルオー(1871-1958)。宗教的主題や、晩年の輝くような色彩で描かれた油彩、デフォルメされた親しみやすい人物像は、多くの人を魅了し続けています。本展は、当館開館20周年を記念するルオーの本格的な回顧展です。ルオーが、自身の芸術を語るのに繰り返し用いたことば「かたち、色、ハーモニー」をキーワードに、画家が影響を受けた同時代の芸術や社会の動向、二つの大戦との関係にも触れながら、ルオーの装飾的な造形の魅力に迫ります。
本展には、フランスや国内の美術館より、ルオーの代表作が集結します。パリのポンピドゥー・センターが所蔵する晩年の傑作《かわいい魔術使いの女》や《ホモ・ホミニ・ルプス(人は人にとりて狼なり)》、手紙やルオーの詩など、本邦初公開作品を含む約70点が会場に並びます。日本におけるルオーの最も充実した回顧展のひとつとなることでしょう。(公式サイトより)
【見どころ】
1.フランスや国内の美術館等より、本邦初公開作品含むルオーの初期から晩年までの代表作が集結。
2.ルオー作品の「かたち、色、ハーモニー」の形成に影響を与えた、モローやセザンヌなど同時代芸術家との関係を浮き彫りにします。
3.戦争期に描いた重要作品《ホモ・ホミニ・ルプス(人は人にとりて狼なり)》や《深き淵より》が日本初公開。 ルオーによる人間の苦悩と希望の表現に迫ります。
ジョルジュ・ルオー(1871-1958)Georges Rouault
パリの下町ベルヴィルで生まれ育つ。14歳でステンドグラス職人に弟子入りする傍ら、国立高等装飾美術学校の夜間クラスに出席した。1890年、19歳の時にパリ国立美術学校に入学し、ギュスターヴ・モロー(1826 - 1898)のアトリエで学ぶ。生徒の個性を何よりも尊重したモローが教える教室には他に、アンリ・マティス(1869-1954)、アルベール・マルケ(1875 - 1947)等が所属し、ルオーは彼らとも親交を結んだ。モローの死後、マティス、マルケ、ルオーらは共にサロン・ドートンヌを創設し、そこで革新的な作品を次々と世に出していった。一方で、1890年代にアンブロワーズ・ヴォラールの画廊でポール・セザンヌ(1839 - 1906)の作品を目にしたルオーは深い感銘を受ける。モローやセザンヌの影響を受けたルオーは、次第に「かたちと色の調和」を追い求めるようになり、自身の芸術について語る著作の中でも繰り返し「かたち、色、ハーモニー」ということばを用いた。キリスト教主題の作品を多く描いた一方で、社会の底辺で生きる人にスポットを当てたサーカスや娼婦、あるいは権威的な地位に身を置く裁判官など、同時代に生きる人間の本質に迫った作品も多く描いた。戦時中は一時的に疎開しながらも制作を続け、版画集『ミセレーレ』のような戦争を主題とした作品も描いている。晩年は、絵具を厚く塗り重ねた独特の表現と光り輝くような色彩で人物像や風景画を多く描いた。
会期2023年4月8日(土)〜6月25日(日)開館時間午前10時~午後6時(ご入館は午後5時30分まで)
※5月12日(金)、6月2日(金)、6月23日(金)、6月24日(土)は夜間開館 午後8時まで開館(ご入館は午後7時30分まで)休館日水曜日(ただし5月3日、6月21日は開館)