版画で表現する現代アート
リトグラフは19世紀から20世紀初頭にかけてフランスで最も花開いた石版を主とした版画の技術です。その後、ピカソやマティス、シャガールといった芸術家が1940年代半ばから70年代にかけて数々の名作を生みだしたことで再び脚光を浴びました。こうした100年以上にわたるリトグラフの歴史を背景に、モンパルナスの地でその技術と創作の伝統を受け継ぎ、1990年代からアーティストとの協働を積極的に行っているのがリトグラフ工房「Idem Paris(イデム・パリ)」です。 最近では、JR、ジャン=ミシェル・アルベロラ、キャロル・ベンザケンなどのフランスのアーティストをはじめ、アメリカの映画監督としても知られるデヴィッド・リンチらがこの工房の磁力に引き寄せられ、また、やなぎみわが今年ここで初めてのリトグラフ制作を行っています。本展はこれらアーティスト20名がIdemで制作した約130点のリトグラフで構成されます。
また本展は、作家・原田マハの最新の小説『ロマンシエ』(仏語で“小説家”の意)と連動するもので、小説は、日本からパリに渡った主人公がIdemを通じて様々な人に出会い、ここで制作された作品によって日本で展覧会が開催されるまでを描いています。最後は小説から飛び出して、読者も展覧会を実際に体験することができるという本邦初といってもいいユニークなアイディアが盛り込まれているのです。
小説と展覧会の世界の横断がもたらす「フィクション×リアル」の新しい感覚、そして現代のアーティストがリトグラフに見出した新たな可能性をお楽しみ下さい。(公式サイトより)
Chocolat!第458回で本展の紹介をしています。