セザンヌ「近代絵画の父」への歩み
日本最多のセザンヌ・コレクション9点を一挙公開!ポーラ美術館の収蔵するセザンヌ・コレクションは、20歳頃のセザンヌの最初期の作品から、円熟期の傑作とうたわれるものまで、セザンヌの画業の重要な時代を網羅する奇跡のコレクションです。「人物画」「静物画」「水浴図」「風景画」というセザンヌを語る上では欠かせない4つのジャンルの優品が体系的に収集されています。
ポール・セザンヌ(1839-1906)は、マティスやピカソなど20 世紀の芸術家に大きな影響を与えた画家として知られています。「セザンヌはわれわれ皆の父親のような存在でした」という言葉を残したピカソをはじめ、この時代に新しい表現を生み出した芸術家たちは、独創性の高い芸術を生み出したセザンヌを、文字通り「父」とみなしていました。しかしながら、そのような存在に至るまでのセザンヌ自身の道のりは、決して平坦なものではありませんでした。
故郷エクス=アン=プロヴァンスで画家としての一歩を踏み出したセザンヌは、パリに上京すると、最新の芸術の動向に対峙します。セザンヌは、1870 年代には印象派の画家として活動しましたが、驚くべきことにセザンヌの作品が公式に評価され始めたのは、1890年代、セザンヌが50歳を迎えてからのことでした。当時、セザンヌは故郷である南仏に活動拠点を移しており、評価の高まったパリの美術界では、伝説的な存在として語られるようになります。
本展では、セザンヌが「近代絵画の父」になるまでの道程を明らかにするために、当館のセザンヌ・コレクション9点を道標とし、セザンヌが見出した独創性の高い表現の数々を詳細にたどります。
セザンヌが「近代絵画の父」と呼ばれるに至った背景には、セザンヌの芸術を礼讃し、発展に導いた芸術家たちとのさまざまな交流がありました。画家を志した初期に、絵画の描法と主題において強烈な影響を与えた前世代のクールベとマネ。セザンヌを戸外での自然観察と制作に導いた年長の師ピサロ。友人であったルノワール、モネ。そしてセザンヌ芸術から出発して絵画空間に革命をもたらした次世代の画家、マティスやピカソ。これらの画家たちの作品とセザンヌの作品を共に展覧し、「近代絵画の父」を取り巻くさまざまな伝説の真相に迫ります。
Chocolat!第432回で本展の紹介をしています。