Expo Chardin
18世紀のフランスを代表する静物画・風俗画の巨匠
ジャン・シメオン・シャルダン(1699-1779)は、ディド ロをはじめとする当時の批評家に高く評価され、各国の王 侯貴族にも愛好されたものの、没後は長らく顧みられるこ とがなかった。しかし19世紀半ば以降に再評価され、ミ レー、マネ、セザンヌ、マティスなど、多くの画家たちに 影響を与えた。また小説家のプルーストは『失われた時を 求めて』でシャルダンの静物描写について称賛している。 18世紀のフランスを代表する静物画・風俗画の巨匠であ り、画業は60年近くにも及ぶが、現存する作品は238点し かない。さらに日本国内に所蔵される作品はわずか2点の み、ルーヴル美術館をのぞけば10点以上所蔵している美 術館は世界中に1館しかないことから、シャルダン展の開 催そのものが極めて難易度が高い。結果として三菱一号館 美術館での展覧会が、我が国でははじめての個展となった。
本展では、ルーヴル美術館名誉総裁・館長で、アカデ ミー・フランセーズ会員のピエール・ローザンベール氏を 監修とし、世界有数のシャルダン・コレクションを誇る ルーヴル美術館の特別協力を得たことで38点の出品を確 保、うち、海外からの作品が37点、そのうち26点が初来 日の作品で占められていた。出品作のうち《食前の祈り》は 現存する4点のうち、2点が出品され、画家が死ぬまで愛 蔵したヴァージョンと、個人コレクションを経てロシアの 女帝エカチェリーナ2世が入手したヴァージョンが1979年 にパリ、ボストン、クリーヴランドでの展覧会で並べて展 示されて以来33年ぶりの再会となった。また、現在では 別れて所蔵されている対作品が並べられ、東京富士美術館の《デッサンの勉強》とヒューストン美術館の《良き教育》、 ボストン美術館の《台所のテーブル》とカルカッソンヌ美術 館 の《 配 膳 室 の テ ー ブ ル 》は ま た 、 3 3 年 ぶ り に 並 べ て の 展 示となった。さらに、通常非公開の2点の個人蔵作品《羽根 を持つ少女》《木いちごの籠》などの代表的な作品が出品さ れた。《羽根を持つ少女》については、個人蔵のオリジナル と、ウフィッツィ美術館蔵のレプリカが初めて並べて展示 されたことで、作品の帰属やシャルダンの制作方法につい て、多くの示唆とともに、今後議論すべき題材を与えた。 展覧会に併せて、監修のピエール・ローザンベール氏と、 フリック・コレクション館長代理のコリン・ベイリー氏の 講演会が開催された。また日仏美術学会主催のシンポジウ ムに協力したことで、学術的にも意義のある展覧会となっ た。(プレスリリースより)
Chocolat!第313回で本展の紹介をしています。